第11投函

近頃三食きちんと食べて、無茶な粗食も外食もしないからなのか、随分身体の調子がよくて、肌つやとかも心なしか上々で、風呂場の鏡を機嫌よく見ていて思い出しましたが、高校生の時分に「全然日焼けしない、肌が白い」と言われ、「いや、白というか土色なので……ポドゾルなので……」と口では謙遜しながら満更でもなく思っていたところ、すかさず「顔の表面積が広いからなのかね?」と不思議顔、私も一緒に不思議がりながら、もう二度と「色白」系の褒め言葉には耳を貸さぬと決めた瞬間でありました。思い出したところで風呂場を出て、なみなみ注いだ白い牛乳をキュッと一気に飲みました。彼女は今でも元気にやってるかしら。

お元気ですか。もちろん私は元気じゃありません。4月も折り返し地点をとっくに過ぎて、5月がじりじりと近づいていることに昨日寝る前ようやく気づいたからです。今までだって「ヤバいな」と言ってはいのですが、いまいち実感がこもっていなかったというか、覚えなきゃいけない英単語を発音していただけ、みたいな、兎に角そういう「yabaina」だったわけです。昨日改めて日付を確認して、息を呑み過ぎて肺が破裂せんとする勢いでした。どうしたものか。一昨日「これを機に覚えよう」と思って買い、枕元に置いていた『身近な草花300』も、どこか居心地悪そうにしています。身近な草花も重要ですが、身近な卒業のこともまた、当然考えねばなりません。

思い返せばこの一、二週間、何をしていたかといえば、炊事洗濯お買い物、一応本を読むふりをしていた時もありましたが、頭の中は炊事のことと出すべきお便りのこと、その他雑多な妄想でいっぱいで、いっときに進む量なんか雀の涙程度で、つまり少なくとも学業面では「ほとんど何も進展していない」というべきであり、こうした生活が始まる当初の懸念の上を全部上手に踏んで歩いて、私はもうブルブル震えております。周りと色が違う煉瓦だけ踏んで歩くのとか、そういえばかなり得意なのです。どうしよう。

いや、明日から、明日からちょうど月曜日ですね。新しい一週間の始まりです。こういう時こそ曜日感覚というものを忘れてはならぬと思います。形から入るタイプなので、いちいちこうして宣言してしまう。ええと、具体的にどうするかってのはちょっと難しいんですけれども、なんていうの、兎に角「morimori-gambaru-zo」。

 

令和2年4月19日(19日!?)