休息レシピ
ヒコロヒーの「岩場の女」を聞いてたら、徹夜で生放送に出たり2日も飯を食い忘れるほど多忙なさなかで、2時間暇があったら喫茶店に入りPCで原稿を書く、1000字程度なら隙間時間にスマホで少しずつ書いて、見直して、時間をおいてまた見直して提出するのだと話していた。PCの不調、iPadのBluetoothキーボードの使いにくさ、職場の人に誘われて飲酒、部屋の散らかり、天気の良さ、わるさ、ありとあらゆる言い訳をみつけてやりたいことをやろうとしない自分との差が天と地ほど空いていて、涙が出る。他の回では「ストレスが溜まってきたらその場で思い切りダッシュして、大腿筋を酷使することで脳に空気が行かないようにする」という話があった。なんてフレッシュな生活の知恵。いらん世話やと思うけど、ついつい休んでくれと思ってしまう。1週間くらい、海に臨む民宿の畳の部屋で。
疲れてんなら温泉とか行けば、とか他人には本気で言うけれど、本気で自分の心身を休めようと思うなら、わたし実際遠出は選ばないと思う。LINEの返信を一切やめて、知り合いとの約束も作らない。3日。3日だ。わたしの休息には全工程に3日かかる。
【鍋の底の超休息レシピ♪】
1日目:家の中でとにかく落ち込む。疲れているという理由だけで悲観的になる。布団から出られないままダラダラ動画を見たり漫画を読んだりして、そういう自分にさらに落ち込み、そうこうしているうちに腹が減ってもっと落ち込む。親の仕送りに入っていたチキンラーメンでしのいで、日が完全に落ちるころには色々どうでもよくなり、にわかに元気が出てくる。ここではじめて部屋の電気をつける。明るくしたとてやることはないのですぐに消す。そのまま寝る。
2日目:体力的にはこの時点でほぼ回復している。遠くの街のドーミーインの予約を取りたい衝動にかられるが、ここででっかく振りかぶると昨日の無為なる1日が水の泡になる(それならそれでも楽しいんである)。そこで家の周りを歩き回る。あくまで注意深く、知らない街を歩いているように。人ん家の庭木で花見をして、店先の古びたポスターのとっくに終わった展覧会情報を丹念に読み、でかい交差点を前にぼうっと立ち尽くす。知らない喫茶店で瓶ビールを頼めるとなおよし。
3日目:9時くらいに目覚ましをかけて、結局11時半ごろに目を覚ましモーニングを逃す。身支度をしているうちに散らかった部屋が気になり始めて、ラジオをかけながら夕方近くまでだらだら部屋の掃除をする。窓だって拭く! 気が済むころに腹が減またことに気づいて、自転車で中規模ショッピングセンターに行き、フードコートで銀だこを食う。本屋に寄って帰宅。
完璧だ。涙がでる。
時間のある人は植物園なんか行ってもいいでしょう。水族館はなんとなくトゥーマッチ。